Obsidianの紹介記事や書籍では、グラフビューを開いてメモ同士のつながりを眺めると「第2の脳」が実現できる——そんな話をよく目にします。
| リンクとタグの使い分け |
Obsidianの整理三つ道具
Obsidianで情報を整理するとき、使える道具は大きく3つあります。フォルダ、タグ、そしてリンクです。
フォルダやタグは、他のメモアプリにもある概念ですよね。一方で、メモ同士を直接つなぐ「リンク」は、Obsidianならではの機能です。リンクを重ねていくとグラフビューが育ち、情報のつながり全体を俯瞰できます。紹介記事などでは、色々な発見が待っているかのように書かれることもあります。ところが私の場合、メモが増えてからは、リンクを頼って「あの情報どこだっけ?」と探そうとしても、なかなかたどり着けない場面が増えてきました。
何のためにObsidianを使うか
ただ、使い方を一度整理してみると、求める機能は目的によって変わってくると思います。
- メモを記録する — 思いつきや考えを残す。これが基本ですよね。
- 過去の情報を探す — あのメモ、どこに書いたっけ?のときに、早く正確にたどり着けることが大切になります。
- つながりから考える — グラフビューなどで、新しい結びつきを探す。
- 文章を書く — メモを素材に、Cursorなどで原稿を作る。
ここからは、上に書いたObsidianを使う目的に対して、リンクがどのように使えるか考えてみたいと思います。
| なんのためのObsidianを使うのか |
リンクの二面性と使い分け
リンクは、たくさんのリンクがつながって重なりあいが発生しないと「思いがけないつながり」というのは発見することができません。そのためにはリンクをたくさん作る必要があります。
ただ、リンクをたくさん作ってしまうと、逆に必要な「つながり」が見つけにくくなる、という二面性があると思います。
そこで、Obsidianのリンクの使い方には、大きく2つの系統があるように思います。
- 抽象的で広い言葉にリンクをたくさん作る — 意図しなかったつながりを見つける「セレンディピティ(偶然の発見)」を重視する。
- 具体的なメモ同士を自分で選んでつなぐ — 無用なつながりで、本当に必要なリンクが埋もれるのを防ぐ。
ただ、リンクやグラフビューを頼って「今ほしい具体的な情報」を探そうとすると、「偶然に素敵なつながり」が見つかることはあるとしても、多くの手間と労力がかかるかと思います。また、着実にその情報にたどり着けるかという疑問も残ります。
だから私の整理はこうです。
- 特定の情報を探す → 検索(ときどきタグで絞り込み)
- 偶然の出会いを探す → リンクとグラフビュー
私の運用——大量リンクと手動リンク
私はAIでキーワードを自動抽出し、記事ごとに大量のリンクを貼る運用をしています。グラフビューが万能だとは思っていませんでしたが、思いがけないつながりが見つかるかもしれない、という程度の期待で試している、という感じです。メモが増えるとリンクも膨大になり、全体を眺めても意味が薄れてしまいます。
| メモが増えて巨大に育ってしまったObsidianのグラフビュー。 ここから目的の情報に到達できるのか? |
特定のノードから拡大して眺める使い方はできます。でも、これはあくまで「偶然の発見」を待つときの道具です。お目当ての情報に確実にたどり着きたいときには、リンクだけでは足りない——そう感じています。
| Obsidianのグラフビューを拡大 確かに面白い発見ができるかもしれないけど、 何かを狙いの情報にたどり着くのは難しい |
一方、学術論文だけを入れた別のVaultでは、内容を吟味しながら手動でリンクを張っています。精査した情報同士なら、グラフを頼りに新しい発見をするアプローチも有効です。利用する情報と目的によってリンクの作り方を変えるというのもありかもしれません。
検索の仕方とタグの利用
検索では、まずユニークなキーワード(あらかじめ検索しやすい固有のキーワード、固有名詞・日付・独特の名称など)で検索ができれば、それで目的の情報を探します。
ユニークなキーワードで検索ができないときは、検索漏れを避けるため、まず大きなキーワードで広く当て、タグで絞り込む、という流れが実用的です。
ここでの絞り込みは、Obsidianではリンクよりタグのほうが使いやすいと思います。
余談ですが、タグは、メモに # を付けてキーワードやフレーズを書くだけで設定でき、消すときにはこの部分をデリートすれば済む手軽さがあります。タグ一覧を表示させれば、ボタン一つで選び出すことができるので、非常に柔軟な運用ができます。
例えば #未処理 や #今週中 、#〇〇原稿関連 といったタグを書いておけば、このメモにすぐに到達することができます。
まとめ
Obsidianのリンクを「第2の脳」の魔法の杖だと思い込むと、役割とズレが生じやすいかもしれません。
「第2の脳」のように使えなくても、残念に思う必要はないでしょう。道具は人の必要に応じて使えればいいのですから。