2020年4月10日金曜日

コロナウイルス、「接触を8割減らして」をシミュレーションしてみた

コロナウイルス感染蔓延に対して非常事態宣言が出されています。

感染蔓延を終息させるためには、「人との接触を8割減らしてください」とのことらしい。

権威者らしいおじさんが、「シミュレーションの結果」なんて言っていますが、シミュレーションなんて想定次第でどんな結果でもでます。
想定を全く説明せずに結果だけ言われても、理系人としてはまったく真偽を評価できません。

ということで、自分でシミュレーションしてみました。

シミュレーションの想定条件

想定条件は以下のようにしました。
  • 人口1000万人
  • ここに、100人の感染者が突然現れた。
  • 感染者は20%が感染の3日後に発症します。
  • 発症した者は、全て見つかり隔離されます。隔離された者は感染を広げない。
  • 未発症の者は、感染後14日間は人に感染させる。感染させる割合は、感染者1人につき14日間で2人(1日に7分の1人感染させると計算)とする。
  • 一度感染したものは、2度と感染しない。(感染後15日目以降の人は感染しない者にカウント)
  • 隔離された者の85%は隔離の14日後に社会復帰(感染しない者にカウント、感染者の3%は戻ってこない)

この想定では、感染者の80%は無症状感染者として感染させ続け、やがて交代保有者として感染しなくなります。
そのうち感染しない人の割合が増えていき、ウイルスが感染できる機会を奪うことで感染蔓延が収束していきます。

何も対策しなかった場合

何も対策しなかった場合は下のようになります。

コロナウイルス感染症、発症者数


コロナウイルス感染症、累積発症者数


132日目が感染のピークとなり、このとき1日で29632人が発症する計算です。
276日目にやっと新規感染者が1人未満になります。このとき発症者累計は133万9千人。感染者累計は649万人です。

人との接触を減らして感染率を減らした場合

人との接触を減らして感染率を下げる対策をした場合です。
対策のタイミングは、発症者数が1000人を超えた次の日である43日目からです。

感染率を減らしていくと、発症者も下がっていきます。

感染対策とコロナウイルス感染症の発症者数

50%減以下は見にくいので拡大すると下のようになります。
感染対策とコロナウイルス感染症の発症者数説明を追加

もともと設定が「1人の感染者が2人に感染させる」ものなので、感染率が半分以下になると1人の感染者が平均して1人より少ない人数にしか感染させられず、感染の回を重ねることに減っていきます。

人との接触を減らして、感染率を下げることがいかに大切かがわかります。

もし、80%減が達成できると、対策から30日後には、1日の発症者数は約1名にまで減少します。
ここまでの発症者累計は1470名程度。感染経験者(抗体保持者)は7000名程度です。

ここでやめると元の木阿弥

さて、30日間我慢して、発症者も減ったから「安心」と非常事態宣言を解除し、元の生活に戻ったとします。
するとどうなるでしょうか?

1000万人のうち抗体を持っていて感染しない人はたったの7000名です。
割合にすれは無いに等しいくらいです。
1日に1名発症するということは、まだ無症状感染者が残っているということです。
ここで対策をやめれば元の木阿弥です。
こうなります。
対策を30日でやめてしまった場合のコロナウイルス感染症の発症者数

対策をやめて2ヶ月後には目に見えて増え始め、4ヶ月後には元の木阿弥です。

再発を無くすために感染者数がほぼゼロになるには、対策開始から61日掛かります。

計算上からこの想定では、80%減が理想的に達成できても60日間、最低2ヶ月は必要です。

現実には、80%減が達成できなかったり、感染率が高かったりでもっと長引くかもしれません。